ウォーターサーバーの解約トラブル|解約料・残債・返却の確認と相談の手順
公開・内容確認:2026年10月28日
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結論
ウォーターサーバーの解約本稿で扱う相談事例は、「契約時に聞いていない解約料を請求された」「レンタルだと思っていたら購入(分割払い)の契約で、残りを一括で求められた」「解約料を負担するというキャッシュバックが対象外だった」の3つに集まります。国民生活センターが2024年11月6日に公表した注意喚起でも、この3つが相談事例として挙げられています。
解約を申し出る前に、次の順で進めると、払う必要がある金額と使える制度を整理できます。
- 契約書面(申込書の控え・メール・会員ページ)で「契約の種類(レンタルか購入か)」「最低利用期間」「期間内の解約料・引取手数料」「契約した会社名」を確認する。
- 解約料の金額と、その算定の考え方(どういう損害を見込んだ金額か)を事業者に尋ね、回答を記録する。
- 勧誘の場所・方法(自宅への訪問、電話、店舗の特設ブースなど)と、そのときの説明内容をメモにまとめる。
- 説明と書面が違う、急かされた、解約料の説明がなかった、といった事情があれば、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談する。
解約料が「払わなくてよい」「減額される」かどうかは、契約内容と経緯によって個別に判断されます。この記事は一般的な制度の説明であり、法律上の判断は消費生活センターや弁護士など専門家に確認してください。
根拠:国民生活センターと法律が示していること
相談は増えている
国民生活センターは2024年11月6日、「ウォーターサーバーの勧誘トラブルにご注意!-その契約、レンタルですか?購入ですか?-」を公表しました。全国の消費生活センター等に寄せられたウォーターサーバーの相談は、2023年度が2022年度の約1.4倍に増え、2024年度も前年同期を上回るペースとされています。2024年度の相談では、契約当事者の女性が63.4%、年代は20歳代が25.0%と最も多く、若い世代にも広がっています。
報告書が取り上げた相談事例は、次のような内容です(要約)。
| 事例 | 勧誘の場面 | 解約時に起きたこと |
|---|---|---|
| 20歳代女性 | 商業施設のブースで他社からの乗り換えを勧められた | 前の会社の解約料をキャッシュバックで補うと言われたが、後で対象外とされた |
| 60歳代女性 | スーパーのイベントで「3年間サーバー無料」と案内された | 配送の休止を相談後、電話で解約を申し出ると、3年以内の解約に違約金がかかると言われた。契約時に説明はなかった |
| 40歳代女性 | レンタルだと思って契約した | 実際は分割払いの購入契約で、解約時に残り約10万円の一括払いを求められた |
| 40歳代男性 | 「解約料はかからない」と言われ、急かされて署名した | 契約書には5年以内の解約に高額な解約料が書かれていた |
また、国民生活センターの「見守り新鮮情報」第468号(2023年11月28日)では、70歳代の方が携帯ショップでサーバーの無料レンタルと月額約3千円の水の契約を勧められ、2か月後に解約を申し出たところ1万円を超える解約料を告げられた事例が紹介されています。契約書は渡されず、解約料の説明もなかったとされています。同号は、サーバーが「無料レンタル」でも実態は水の定期購入契約であり、決められた期間内に購入を続けないと解約料がかかる場合があると注意しています。
消費者契約法:解約料には上限の考え方がある
消費者契約法第9条第1項第1号は、契約の解除に伴う損害賠償の額や違約金を定める条項について、同じ種類の契約の解除で事業者に生じる「平均的な損害」の額を超える部分を無効としています。つまり、解約料の条項があっても、金額が事業者の平均的な損害を大きく超えていれば、その超える部分は無効になり得ます。
2023年6月1日施行の改正で、次の2つが事業者の努力義務として加わりました。
- 第9条第2項:消費者から説明を求められたときに、解約料の算定の根拠の概要を説明するよう努めること。
- 第3条第1項第4号:消費者の求めに応じて、契約で定めた解除権の行使に必要な情報を提供するよう努めること。
どちらも「努力義務」なので、説明しない事業者に罰則があるわけではありません。それでも、解約料の考え方や解約の方法を尋ねる根拠として使えます。「平均的な損害」がいくらかは事業者側の事情によるため、消費者が自分で判断するのは難しく、争う場合は消費生活センターや専門家に相談するのが現実的です。
同じ第9条第1項第2号は、支払いが遅れた場合の遅延損害金について、年14.6%を超える部分を無効としています。
特定商取引法:勧誘の方法によっては解除・取消ができる
自宅への訪問や電話による勧誘で契約した場合は、特定商取引法の訪問販売・電話勧誘販売にあたる可能性があります。電話勧誘販売では、法定の書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフ(第24条)ができ、事実と違うことを告げられて誤認した場合などは申込みや承諾を取り消せる場合があります(第24条の3)。クーリング・オフの方法は電話勧誘販売とクーリング・オフの記事にまとめています。
店舗の特設ブースでの勧誘が訪問販売にあたるかどうかは、場所や経緯によって判断が分かれます。国民生活センターの報告書も、訪問販売にあたる場合はクーリング・オフ等ができる場合がある、という書き方にとどめています。自分で判断せず、188で相談してください。
具体的な確認手順と計算例
手順1:契約の種類を確かめる
最初に確認するのは「レンタル」か「購入(割賦)」かです。購入契約だと、解約しても機器代金の残りを払う必要がある場合があり、前述の事例のように一括払いを求められることがあります。申込書の控えや契約書面で、次の項目を探してください。
| 書面で探す項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 契約の相手方(会社名・住所・電話) | 販売店と水の提供会社が別のことがある。解約の連絡先を間違えないため |
| 契約の種類(レンタル・購入・割賦) | 購入なら機器代金の残債が残る場合がある |
| 最低利用期間・更新月 | 期間内か期間後かで解約料の有無が変わる |
| 解約料・引取手数料・違約金の金額 | 名目が違っても解約時に払う費用として合計する |
| 水の最低注文数・配送休止の条件 | 休止の手数料や、休止が続くと解約扱いになる条件がある場合がある |
| 契約書面を受け取った日 | クーリング・オフの期間(8日)の起算に関わる |
各社の最低利用期間と解約費用の目安は規定利用期間と解約費用の記事で一覧にしています。契約内容が一覧と違う場合は、自分の契約書面が優先です。
手順2:「続ける」と「やめる」の総額を比べる
解約料が気になるときは、期間満了まで続けた場合の支払いと比べると判断しやすくなります。次は見守り新鮮情報の事例(月額約3千円)を使った仮の計算です。
| 選択 | 計算 | 支払いの目安 |
|---|---|---|
| 期間満了まで残り10か月続ける(仮定) | 3,000円 × 10か月 | 30,000円(電気代は別) |
| いま解約する | 解約料(事例では1万円超) | 10,000円超+返却時の費用があればその額 |
この仮定では、解約料を払っても総額は小さくなります。ただし、水の最低注文数を減らせる・配送を休止できるなど、契約によって「続ける場合」の金額は変わります。自分の条件で月々の費用を出すには、使用量から必要本数と総額を計算するツールが使えます。
手順3:遅延損害金の上限を知っておく
解約料の支払いが遅れた場合の遅延損害金は、消費者契約法第9条第1項第2号で年14.6%を超える部分が無効です。たとえば30,000円の支払いが30日遅れた場合、上限の目安は 30,000円 × 14.6% × 30日 ÷ 365日 = 360円 です。納得できない請求でも、黙って支払いを止めると遅延扱いになることがあるため、「金額に異議があり相談中」と事業者に伝え、記録を残してください。
手順4:事業者に尋ねる・記録する
- 解約の申出は、電話だけでなく、メールや問い合わせフォームなど記録が残る方法も併用する。
- 解約料の内訳と算定の考え方を尋ねる(消費者契約法第9条第2項)。
- 解約の手順(返却方法・回収日・残ボトルの扱い・最終請求の時期)を尋ねる(第3条第1項第4号)。
- 電話の日時・担当者名・回答内容をメモし、書面やメールは保存する。
手順5:サーバーとボトルの返却
レンタル契約では、解約後にサーバーを返す必要があります。回収の方法(業者の引取り・自分で梱包して発送)や、返却が遅れた場合の費用は会社ごとに違います。未開封のボトルが残っている場合の扱いも契約で決まっているため、手順4で一緒に確認してください。使い終わったワンウェイボトルは、お住まいの自治体の分別ルールに従って処分します。
注意
- 消費者契約法の「平均的な損害を超える部分は無効」は、解約料が必ず減額されるという意味ではありません。判断は個別の事情によります。
- クーリング・オフや取消しができるかは、勧誘の方法・場所・書面の内容・日数で変わります。期限があるため、迷ったら早めに188へ。
- 乗り換えのキャッシュバックは、適用条件(期間・申請方法・対象プラン)を書面で確認してから契約してください。口頭の約束だけでは、後で対象外とされた事例があります。
- 料金・期間・解約料は改定されます。最新の条件は各社の公式ページと自分の契約書面で確認してください。
勧誘の場面ごとの注意点は勧誘トラブルと相談先の記事にあります。
よくある質問
解約料を払わずに解約できますか?
契約で定めた解約料は原則として支払いの対象ですが、事業者の平均的な損害を超える部分は消費者契約法で無効になり得ます。説明がなかった、事実と違う説明を受けたなどの事情があれば、188で消費生活センターに相談してください。
レンタルだと思っていたのに購入契約でした。どうすればいいですか?
まず契約書面で契約の種類と残債の金額を確認し、勧誘時の説明内容をメモにまとめてください。説明と書面が違う場合は、取消しなどができるかを消費生活センターに相談するのが確実です。
解約の電話がつながりません。
受付時間や受付方法(電話のみ・フォーム可)を公式ページで確認し、メールやフォームなど記録が残る方法でも申し出てください。申し出た日時の記録は、後で解約日を争うときの材料になります。
キャッシュバックが対象外と言われました。
適用条件が書面や公式ページにどう書かれているかを確認し、勧誘時に受けた説明と比べてください。説明と違う場合は、そのメモと書面を持って188に相談してください。
解約料の計算根拠を教えてもらえますか?
消費者が求めた場合、事業者は算定根拠の概要を説明するよう努めることとされています(消費者契約法第9条第2項)。努力義務のため回答の詳しさは事業者によりますが、尋ねること自体は正当です。
出典
- 国民生活センター「ウォーターサーバーの勧誘トラブルにご注意!-その契約、レンタルですか?購入ですか?-」(2024年11月6日公表)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241106_1.html (報告書PDF:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20241106_1.pdf)確認日:2026年10月28日
- 国民生活センター「見守り新鮮情報 第468号」(2023年11月28日)https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen468.html 確認日:2026年10月28日
- e-Gov法令検索「消費者契約法」(平成12年法律第61号)第3条・第9条 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061 確認日:2026年10月28日
- 消費者庁「消費者契約法の一部を改正する法律(令和4年法律第59号)」施行日 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/amendment/2022/ 確認日:2026年10月28日
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「電話勧誘販売」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/telemarketing/ 確認日:2026年10月28日